「子育てするなら所沢」の実現 (下)

 

7.国に対する要望
昨年の政権交代により、「地方分権」や「地域主権」が大きな課題となっている。市民生活を支える身近な地方政府としての役割をしっかりと果たし、生活者の目線に立った改革を進めていくためには、自治体へ権限と財源をさらに移譲し、地方分権の仕組みを確立することが、市民生活のより良い環境づくりにはきわめて重要なことであり、新政権には、地域主権の実現に向けた確固たる理念と指導力を求めたいと思う。
さて、今日の社会情勢の変化の中で、業務の見直しが必至となり、それに関わる組織及び職員定数の見直しを進めてきているところであるが、市民生活を維持するための必要最小限の人員の確保は当然ながら必要である。
全国的に見ても地方公務員数は、1995年から15年連続して減少しており、前年比1.5%の減となっているところである。その点での職員の疲弊感は少なくない。
(1)財源配分の見直し
 もちろん自治体としての事務改善や行政改革を進めているところであるが、業務量と職員数のアンバランスがある。また、現在の国と地方の事務配分は地方が6、国が4であるのに対して、財源は地方が4、国が6と財源比率が事務配分比率に見合ってないため、業務的な支障が少なくない状況である。これを是正するためには国税と地方税の比率の見直しが必要である。これはシャウプ勧告以降、課題としてあげられているが、今なお解決が図られない課題であると認識している。これについては、新たに整備される「国と地方の協議の場」での議論が進むことを期待している。
(2)給付事務負担
 このように、財政的負担の公平性はぜひとも必要な視点である。その延長として、定額給付金や子ども手当のような給付事務に際しての責任は、政権党がマニフェストで掲げた政策である以上、国で責任を持って事務執行を行って欲しいと願うところである。例えば、定額給付金の場合、所沢市においても、正規職員5名換算程度(約4000万円)の人件費相当分の負担があり、また、それらの業務に人が裂かれ、他の業務が出来ないなど、与えた影響は少なくないものがある。これらにかかる事務負担に加えて、監査及び会計検査についても、政府として約束した政策については、基本的に国が責任を持って実施する体制を作るべきである。
(3)一括交付金
 さらに、一括交付金については、地方が必要とする事業執行に支障が生じないように努められたい。言うまでもなく、これまでの個別補助金の申請・実績報告・会計検査との一連の事務負担を軽減し、自治体の裁量による自由な資金運用を可能にする対応を望むところである。
(4)地方交付税制度の抜本見直し
 地方交付税は、地方が基本的な行政サービスを提供する事ができる重要な財源である事から、事務執行に支障のないような配慮が必要である。最終的には事務配分にリンクした税体系に改め、その中での財源配分に努めるべきであり、その過渡的制度として、財政均転化についての役割があるが、まずは、交付税算定方式の見直しが図られるべきであろう。
 その際に、問題にして欲しい点としては、地方交付税の算定基礎の見直しによって、従来の基準では既に交付団体となっている自治体が、依然として不交付団代であり、自らの努力によって財政運営に努めているにもかかわらず、多くの場合税収等の不足による財源補填の対応として臨時財政対策債に頼った財政運営を強いられている現状についてである。これは、長期的には自治体の体力低下につながり、かろうじて健康な財政運営を目指している自治体を蝕むこととなり、将来的に大変厳しい自治体運営を余儀なくされるものである。
 その点からは、自治体としての自助努力を財政上の評価に加えるような工夫はあっても良いのではないか。国におかれては、自治体が元気になれるような改革について対応願いたい。

 さらに、自助・共助・公助の補完性の原則に基づく、新しい公共の創造は、自主的な地域の課題解決に向けた取り組みを支援するための仕組みづくりが必要となる。自治体独自の地域づくりを尊重し、それぞれの地域で様々な実践が展開されるように、国としての支援の在り方が求められる。ぜひとも自治体や市民が、夢を持てる地域となるよう、積極的な地域支援を要望するものである。

 

*本文は、地方自治職員研修臨時増刊94号「首長が語る『地域の時代』わがまちの戦略と国への提言」に所収

 

「子育てするなら所沢」の実現  PDF版はこちら

●当麻よし子・マニフェスト進捗状況
外部評価 報告書

●資料:当麻よし子・マニフェスト
評価結果

わたしのマニフェスト

画像をクリックすると再生します。
※音声が出ますのでご注意下さい。

市役所のサイトへジャンプします

所沢市議会 議会中継

議会開会中はライブで放送します

所沢発 つれあい日誌