「子育てするなら所沢」の実現 (上)

1.はじめに
 所沢市は、東京都心から30キロ圏内に位置し、埼玉県では3番目の人口(34万人)を擁する自治体であり、県南西部の中核的な都市として成長してきた街である。
 特に、池袋や新宿へは電車で30分と交通の利便性が高く、昭和40年から50年代には首都圏通勤者のベットタウンとして急激な人口増加があった。その時期に転入した市民が定年退職期を迎えており、少子高齢化の進行と相まって、これらの市民層が地域との関わりを持ちながら、生きがいと安心感のある生活を送ることの出来る施策の充実が課題となっている。

 人口は、2010年3月末日現在で341,750人。高齢化率は19.93%。これまで比較的若い市と言われてきたが、1年間で高齢化率は0.76%、高齢者数は2,756人増加している。社会保障・人口問題研究所の推計によると、この後2035年には、高齢化率は37.5%になると予測されており、急速な高齢化率上昇への対応が、市政運営の鍵になると認識している。推計で示された所沢市の特徴としては、20歳代から40歳代の女性の転出率が高い事が分かり、市としても子育て支援に力を入れていく必要があると実感している。

 

2.マニフェストの実現に向けた取り組み
 私は2007年10月の市長選挙の際に4つのSをマニフェストとして約束し、多くの市民の信任をいただいた。
1 Safety(安心) 生活が第一・あったか市政
2 Soft  (自然) 人と自然が共生する所沢(まち)
3 Smile (笑顔) 子どもたちに笑顔を!
4 Save  (節約) 生活者の目線で市役所改革
 マニフェストの4つの柱については、第4次総合計画の実施計画に盛り込み、主な施策として組み立て直している。その中でも、次代を担う子どもたちの元気と笑顔を具現化するために「子育てするなら所沢」の実現に向けた施策を積極的に進めてきた。
 特に、2009年度からは機構改革により「こども未来部」や「みどり自然課」を新設し、施策の充実を図っているところである。

 さらに2010年10月からは、子ども医療費助成事業を小学校3年までに対象年齢を拡大し、子どもの命を守り、子育ての安心感を確保したいと思っている。また医療体制を充実・整備していくため、所沢地区(所沢市・狭山市・入間市)を医療圏域として、休日・夜間の小児二次救急患者への対応や、市民医療センターでの小児一次救急体制の充実などにも積極的に取り組み、小児救急医療体制の整備を進めている。
 それとともに、新たな時代に対応すべく、所沢市の憲法とも言える「(仮称)所沢市自治基本条例」の制定や、2011年4月から8年間を期間とする「第5次所沢市総合計画」の2010年度中の策定に向けて、条例と計画の二つの市民委員会の約100名の市民と協議を進めている。

 

3.保健所再編計画と中核市
 2010年度から、所沢市では埼玉県が進める保健所再編計画が発端となり、中核市への移行を視野に入れた庁内プロジェクトを発足させた。県の保健所再編計画に伴い、2010年4月から所沢保健所が狭山保健所に統合されることになった。このため公費負担医療給付申請事務の内、特に特定疾患医療給付及び小児慢性特定疾患医療給付の新規申請受付事務については、市民の負担軽減を図るため市が事務を受託することとした。また、その他の公費負担事務についても、毎月1回保健所職員が所沢市に出向き受付事務を行うように調整を進めた。
 今回の保健所再編計画については、市議会や市民から、所沢保健所が統合されることによる市民生活への影響などについて、議論や意見が噴出した。県知事への要望の提出や、市議会での保健所政令市への移行等についての質問など、市民生活の利便性を担保するという観点からも、中核市移行について積極的に議論していく必要があると感じている。そのため新年度から、庁内に中核市移行プロジェクトを立ち上げ、検討を進めていくこととしている。
 さて、中核市へ移行するためには財源的な手立てと職員の増員が必要となる。しかし、本格的な少子高齢社会に突入する所沢市の現状を冷静に分析すれば、財源的な余裕もなく、職員体制についても第2次定員適正化計画を進めている途中であり、職員体制もぎりぎりの状況である。しかし、見方を変えれば、少子高齢社会が進めば進むほど、保健所機能の充実が求められているともいえるし、住民に身近な事務を行政が積極的に担っていく必要性は、今後ますます高まることが予想される。

 このような背景を考えた場合、中核市移行と行財政改革を両立させるためには、市役所改革をどのような視点から進めていけばよいのか。その意味では、これまでの量充足を目指したビルド型の行政スタイルから、選択と集中によるスクラップアンドビルドへの政策転換が必要となっているといえる。

 

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